当院では「長持ちする治療」を心がけています。ここ最近の文明の進歩はめざましく、歯科界も例外ではありません。しかしながら建築物をみても、最新の超高層建造物が何百年も持つというわけではなく、むしろ法隆寺のような古社寺にこそ、建築の真髄があるような気がする今日この頃です。先ほどの大震災でも、科学の最先端であったはずの原発が、多くの問題を産み出し続けていることは記憶に新しいところです。 |
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歯科医療には「文明」の恩恵は欠かせませんが、それに甘えたおごりは逆に「不自然な結果」をもたらすかもしれません。科学は決して万能ではなく、「自然」をしっかり理解した上での医療が必要だと感じています。それでは「自然な治療」ってどのようなものでしょう? 生体(からだとこころ)のしくみをきちんと理解し、歯と周囲組織の健全な発育と加齢を見届け、傷ついた組織の自然治癒力を引き出し、もし歯科医師とスタッフが手を加えるならば、生体と調和のとれたものになるということを、常に考えなければならないでしょう。 確かにインプラントなどは「歯科医学」の先端かもしれませんが、多くの問題もはらんでいます。インプラントは骨の中にねじ込まれていますので強固にみえますが、逆に何らかのトラブルがあったときに簡単に除去できないという点がデメリットになります。また病気になって、歯のお掃除が行き渡らなくなれば歯肉が炎症を起こしやすくなります。入れ歯はシンプルでありながら装着感が良く、良く噛めることが大切です。そこで出会ったのが「ミラクルデンチャー」です。それは私にとってとても画期的なことでした。快適で良く噛め、次の手も打ちやすい「ミラクルデンチャー」をきっちりマスターすることが、今の私の目標です。 法隆寺や薬師寺の宮大工のように、歯科医師として「いい仕事」を残せたらな・・と、つくづく思います。 |